使用および責任
Scaniaの架装作業に関する情報は、主に架装メーカーを対象としたものであり、Scaniaトラックシャシおよび完成トラックに対するすべての架装および改造に適用されます。
前提条件
架装メーカーは、以下の知識を持っていることが求められます。
- Scaniaトラック製品レンジに関する基本的知識。
- トラック架装および架装構築に関して必要な専門知識。
- 当該用途での稼働条件に関する知識。
点検内容の文書化に関する要件
架装メーカーは、架装構築または改造作業を1つ行うたびに、架装および架装構築がScania架装要領書に従って行われたことを証明する必要があります。
品質および安全点検、ならびに適合宣言書は必須となっています。
詳細情報:
適合宣言書には、携帯電話を使用したデジタル署名またはホームページから印刷した文書への手書きのいずれかで署名することができます。
以下の手順に従ってください。
ホームページで、次のようにデジタル署名または手動署名を選択します。
注意!
地域によっては例外があります(ドイツなど)。 ローカル情報の市場固有のページで、各文書の取り扱いに関する情報を参照してください。
デジタル署名
- Scaniaのパーソナルアカウントから情報が自動入力されていないフィールドに、必要な情報を入力します。
- Scaniaの要領書に従って品質と安全の点検が実施されたことを確認するボックスにチェックをつけます。
- 次のいずれかのボックスにチェックをつけます:
No deviations(逸脱なし)(Scaniaの要領書に逸脱することなく忠実に従っている場合)。
Deviations have been documented and communicated with Scania(逸脱を記録した文書をScaniaに送信した)(件名番号(FQCA No.)を含める)。 - Submit(送信)をクリックして、文書をScaniaに送信します。
データが登録されて、画面に表示されます。 - 内容に誤りがないことを確認し、Next(次へ)をクリックします。
発行者または作成者の携帯電話にPINコードが送信されます。 - PINコードを入力し、文書に署名します。
署名された文書はScaniaの製品情報システム(SPII)に保存され、保管用のコピーが発行者または作成者に送信されます。
手書きの署名
- 「適合宣言書」を記入して2部印刷します。
- 情報に誤りがないことを確認し、文書に署名します。
- 1部は、ドライバーズマニュアルと共にキャブ内に保管してください。 ドライバーズマニュアルは通常、簡易ベッドの下またはキャブ内収納室に保管されます。
- もう1部は、ご自身の記録として保管してください。
納車前点検文書:チェックリストと適合宣言は、架装メーカーの点検書類と差し替えることができます。 この文書はScaniaによる承認を受けなければなりません。 承認申請を行うScaniaディーラー認定代理店にお問い合わせください。
規制
車両全体の型式認定に関する指令2007/46/ECの要件を満たすには、Scaniaトラックの架装構築および変換作業を実施する際、Scaniaの架装要領書および国内法規の両方に従うことが重要です。
車両全体の型式認定に関する詳細情報は、文書「EU圏内の車両型式認定」にあります。
架装要領書では、多くの場合、架装メーカーが素材の成形および選定をしたり、顧客の意図およびニーズに合わせて架装を設計したりする自由が許されています。
Scaniaの架装要領書に記述のない不明な点については、Scaniaディーラーまたはディストリビューターにお問い合わせください。 該当する場合、CEマークに関する規則と規制に従わなければなりません。 詳細はCEマーキングの項を参照してください。
架装構築
すべての架装構築はScaniaの架装要領書に従って実施しなければなりません。 Scania 架装要領書に記載されていない架装については、架装メーカーから、承認申請を行うScaniaディーラー認定代理店に必ずお問い合わせください。 承認がない場合、工場保証は適用されません。
Scaniaディーラーに問い合わせて、以下を確認してください。
- パラメーターの調整またはソフトウェアの更新が必要かどうか
- 架装構築の実施が可能であること
- 架装構築によって証明書または法的要件が影響を受けるかどうか
これは新しいトラックにも中古トラックにも該当します。
変換作業
すべての変換作業はScaniaの架装要領書に従って実施しなければなりません。 Scania架装要領書に記載されていない変換作業は、Scaniaディーラー認定代理店による承認が必要です。 承認がない場合、工場保証は適用されません。
Scaniaディーラーに問い合わせて、以下を確認してください。
- パラメーターの調整またはソフトウェアの更新が必要かどうか
- 変換の実施が可能であること
- 変換が証明書または法的要件に影響を与えるかどうか
これは新しいトラックにも中古トラックにも該当します。
責任
Scaniaが提供できる情報および推奨は既知の条件および特性に基づくものに限られます。
架装メーカーは以下について責任を負います。
- 架装構築完了後、シャシコンポーネントが元来の機能と品質を保持していること。
- 架装が法的要件、安全性要件、適合性要件を満たしていること。
- 架装によって影響を受ける完成車の特性。
納車時に必要な説明書および情報を車両に添付することは、Scaniaディーラと架装メーカーの責任です。
CEマーク
特定の型式の架装が装備されたトラック(クレーン、テールリフト、スワップボディ、機械駆動のウィンチ、ダンプボディなど)で機械類1と定義され、EUまたはEFTAの国々で販売されるものは、Scaniaの架装情報に加えて、機械指令2006/42/ECの要件も満たしている必要があります。
架装メーカーは以下について責任を負います。
- 機械のCEマーキングと必要書類2は、車両に同梱されます。
- 技術文書が保管されていること。 個別または連続した生産期間中、最近生産されたユニットから少なくとも10年間、または車両の全耐用年数を通じて、要請があり次第に資料を提出できること。
すでにCEマークが付いたユニットを架装メーカーが取り付ける場合、架装メーカーは当該ユニットに適用されるすべての説明および指示に従う必要があります。 また、その場合、必要な文書2が車両に付属していなければなりません。
- 少なくとも1つが可動する、相互接続されたパーツまたはコンポーネントから構成されたオペレーティングシステムを搭載済み、または搭載予定の組立てユニット。
- 機械の耐用年数期間中は安全に使用できることを保証する文書。 これは搭載、取り付け、使用、整備および保守から分解および回収に至るすべてに適用されます。